どんな古民家も、もとは新築だった
あたりまえのことのようですが、どんな古民家でも、建設当初は「新しい家」でした。それが世代を越えて残り得る木組みの融通性や美しさがあって、結果的に「古民家」と呼ばれるようになったのです。
古民家再生の事例が多い当社ですが、ゆくゆく「古民家」として住み継がれていくだけの内容をもった家の新築もします。新築とはいえ、大黒柱や梁といった、家の見せ場となる構造材には、当社でストックしている質のよい古材を採用し、家全体に風格や落ち着き、味わいをもたせるようにしています。
温熱環境や防火・耐水性能にも配慮します
新築の場合、古民家の弱点である温熱環境面での機能性を配慮した設計を重視します。自然換気、断熱材を適切に使用し、太陽や風の恵みを活かしたパッシブソーラーを採用して、冷暖房に頼る割合をおさえた、快適でエネルギー効率の高い暮らしを実現します。ある程度の快適さまでを求めつつも、人間が本来もっている適応能力を鈍らせることのない「ほどほど」をめざし、個々のご家族のライフスタイルに応じた設計を心がけます。
当社が手がける新築民家には、外は塗り籠めの大壁、内は構造材をあらわした真壁にした「蔵」型の住宅が多いのですが、これは防火性能、雨水侵入の防止等の要件を考えた結果の選択です。現代の家づくりには、昔の家づくりより機能面で求められる性能が高く、当社でも古民家に学びつつも、時代の要求に合った家づくりをめざしています。
伝匠舎で建物を建てる時の、標準的な流れをご説明いたします。常日頃から行っている安全への取り組みもご紹介しています。
敷地にもともと建っていた建物の立て替えをご希望なら、是非一度、「現地再生」もご検討ください。古民家はその土地の風景の一部です。もちろん、何かと手間はかかりますが、当社には、昔の記憶を未来につなげる「現地再生」の施工実績がたくさんあります。詳しくはこちらをご覧ください。
更地に建てる場合でも、古材を部分的に活用するだけでなく、古民家全体を「移築」することもできます。間取りを使いやすくし、断熱性能を上げ、設備周りも新しいものに入れ替える事で、現代的な生活が可能となります。一度、ご検討ください。
伝匠舎では、新築の場合でもここぞという部分に古材や古建具を活用することをお勧めしています。趣きのある柱が一本あるだけ、家全体がぐっとひきたち、愛着が湧きます。