古民家再生のすすめ

A. 風流美の家

古民家のよさとは何でしょうか? それは、家や材が古びることで味わいや深みが増すことではないでしょうか。私どもでは、このような時と共に価値が増す美しさを風流美(ふるび)と呼んでいます。

古民家は木や土といった自然素材でできています。自然素材は時を重ねるごとに風合いや艶を増し、より美しくなります。古民家には「古美」の美があります。

大量に生産し、消費し、廃棄する現代になってなお、長い年月を経て生き残ってきた古民家。今は煤けてしまっているかもしれないその古民家に、古民家が本来もっている「風流美(ふるび)」の輝きをとり戻しませんか。「なんとなく落ち着く」「ほっとする」「年月を経た深みを感じる」そんな思いを大切に、現状では住めそうにないと思うところを、優先順位をつけていきながら直していけば、あなたの古民家は、思った以上に美しく、居心地よくよみがえります。

次ページから「古民家再生の実際」と、テーマ別での再生のポイントをお話します。