3-2. 建築の100年とは長いもの

「100年もつ家」とは、いうけれど・・

100年住宅という言葉をよく耳にしますが、具体的に100年前のこと、100年先のことをイメージしたことがありますか? クイズを出題しますので、考えてみてください!

【Q】
50歳の方が長年の夢であった住宅を建てました。
さて、それから100年後にその住宅に住んでいるのは、
建て主から数えて何代目で何歳の方でしょうか?

区切りのよい100年という言葉はよく使われますが、私たちは家を建ててから100年も生きられないわけで、今ひとつ実感のない言葉でもあります。今から100年前、日本では大正時代、第一次世界大戦直後です、と言われてもなかなかピンときません。「いや待てよ、100年後には自分はもうこの世にいないな、するとその時この家の主は息子?いや孫かな?大事に守ってくれているかな…?」などと、考え込んでしまいますよね。

【A】
4代目で60歳

ひと口に建築物の100年といっても、それは大変長い時間です。住宅の主人となる人は25年から30年の間隔で交代し、またそれぞれの生活に合わせた空間を求めます。そのため、100年の間には3回も改築が必要になります。あなたが苦労して建てたその家は、それが可能な建築物ですか?それとも、その度に新たに建て直さないとならないでしょうか?

日本には「かわいい子には普請(ふしん)をさせるな」「家は末代まで」ということわざがあります。昔の主人はこのような気持ちを込めて、何代にも渡って住める家づくりをしたのです。家を新たに建てるということは、大変エネルギーのいることで、長いローンの返済に苦労することになる方も多いと思います。

ある尋常小学校140年の歴史

建築の100年とは長いもの