1904年に建てられた宮崎第二醸造所を元にした建物で、現在はワイン資料館として利用されています。宮崎第一醸造所が解体されて遺構のみとなってしまった現在、現存する日本最古の木造ワイン醸造所となりました。「山梨県指定有形文化財」「経済産業省 近代化産業遺産」にも指定されています。
資料館内部では日本ワインの誕生・変遷とともにメルシャン株式会社の歴史を紹介しているほか、明治期に実際にこの場所で使われていた醸造器具の展示、今日のメルシャン株式会社の礎となる先人たちの軌跡・功績、ブドウ産地なども紹介しています。1877年(明治10年)、当時の山梨県令(知事)藤村紫朗の後援と地域の有力者の出資により、日本初のワインメーカー「大日本山梨葡萄会社」が設立、メルシャン株式会社の元になった会社の一つの誕生です。資料館は現在でも貯蔵庫として使用され続けており、展示物とともに19の樽が置かれ、約7万本分のワインが眠っているそうです。
外観は分厚い漆喰の土壁となまこ壁が特徴的な「蔵づくり」ですが、小屋組など内部構造には西洋式のトラスが多用されており、和洋の知恵が一体となった建物です。それはあたかも、日本における葡萄酒の製造という任務を、建物のつくり自体が体現しているように思えます。
並んで建っている「ワインギャラリー」では、ワインのテイスティングができます。シャトー・メルシャンシリーズを中心に、常時20種類以上のグラスワインが用意されており、ワイナリースタッフとカウンター越しに会話をしながら、ワインをお楽しみいただけます。
シャトー・メルシャン ワイン資料館
〒409-1313
山梨県甲州市勝沼町下岩崎1425-1
Tel:0553-44-1011
Web:www.chateaumercian.com/
営業期間:通年
営業時間:9:30〜16:30
定休日:火曜日 及び年末年始
入場料:無料