朝吹登水子の家(解体格納済)
仏文学者の朝吹登水子がフランス人の夫アルベールさんと暮らした軽井沢の家です。この家は静岡県御殿場にあった元庄屋の家です。戦前の日本の国力が充実した時期に移築されたのでしょう、丹精で力強い仕事がしてあります。移築したのは朝吹常吉(元千代田生命社長、元三越会長)で、常吉と妻磯子との間に生まれたのが朝吹登美子です。奥座敷の襖を見ると母磯子さんの書があります。
外観は軽井沢特有のうっそうとした林の中に隠れてしまって、その堂々とした全容が写真に撮れませんが、軒はセガイつくりで豪華です。屋根は茅葺です。
玄関をくぐると居間に入ります、土間の洋間です。同一敷地内に隣接して有名な外国人建築家ブォーリスの手になる洋館の別宅(移築保存が計画されている)がありましたが、現在は軽井沢タリアセンに移築保存されています。外国とのつながりが強かったためか主屋の民家建築にも洋間があって和洋の融合した空間がたいへん魅力的で、この建築を特徴づけています。柱や差し鴨居、框などにケヤキ材が多いですが、全体的に部材の木柄はたいへん太く安定感があります。15帖の前の間の天井は煤竹です、建具の格子戸、田舎戸、板戸ともたいへん良いものです。
よく管理されていたため、全体的に傷みが少ない優良物件であります。
平面図 | →こちら |
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問い合わせ先 | 朝吹登水子の家の部材一式は現在、有限会社 熊谷産業が所有しております。 問い合わせ・資料請求につきましては下記まで 〒986-0202宮城県石巻市北上町橋浦字南釜谷崎340 ℡0225-67-2045 |