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2025年10月10日

Tunagu 美の拡がり展

2025年10月1日~3日 「Tunagu…美の拡がり展」

8年ほど前の平成29年8月10日、甲州市塩山の神田天神社の裏で表具店を経営されている桐原武仁さんから、二つの古い木箱をいただきました。中身は、その昔桐原さんの祖父が使っていた襖(ふすま)の摺込型紙(すりこみかたがみ)だと言います。

襖や壁紙を復元する際、伝匠舎の文化財修理に役立ててほしいということでした。しかし、当社ではこれをすぐに調査して体系的に整理することができず、止む無く弊社の古材ギャラリーの倉庫の棚に眠ってしまうことになります。それから1年4か月…折よく古材ギャラリーを訪れていた染色家で「さおり織あとりえ510」を主宰する後藤紀子さんが運命的にこれを発見、江戸情緒あふれる襖の美しい絵様の数々に心を奪われた様子で、これを譲り受けたいと所望されました。そこで、元の所有者である桐原さんの同意を得て、調査と保管とその利活用を計っていただくお約束で、資料一式を後藤さんに寄贈した次第です。

展示会エントランスから見た会場の賑わい

桐原表具店の桐原武仁氏から寄贈された江戸唐紙の摺込型紙と見本帳の数々が入っていた木箱

約200種類もあろうかという摺込用型紙の内の1セット

展示会は2025年10月1日~3日の3日間、甲府駅北口にある山梨県立図書館イベントホールで行われました。おかげさまにて大盛況、延べ300人近いお客様にお越しいただきました。たくさんのご来場ありがとうございました。

京から伝わった「江戸からかみ」は江戸独自の文化として発展。近世、以来東京にはたくさんの紙問屋があり、「江戸から紙」は多くの建物を彩っていました。が、関東大震災や第二次世界大戦の戦火で焼失し、現存する資料は少なく、今日ではほとんど目にすることはありません。

「Tunagu…美の拡がり展」とは

美しい見本帳の絵柄展示の前で説明する後藤紀子さん

シルクスクリーンの制作方法を説明する秋山令一さん

この、江戸からかみの作成に使用されたのが日本独自の「伊勢型紙」の手法で、「シルクスクリーン」の基となり、この手法を用いたアンディー・ウォーホールや草間彌生の多くの版画作品などを生み出すことになりました。今回の展示会では秋山令一さんの所有する多くのシルクスクリーンによる作品が展示され、これもたいへん好評でした。

シルクスクリーンによる著名な作品に見入るお客様

今回の企画展のスタッフ一同集合

「やまなし 江戸からかみを繋ぐ会」では、2026年秋ごろに第二弾の企画展を計画しています。新しい発見や展開もございますので、どうぞご期待ください。