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2025年11月5日

重伝建「上条集落」選定10周年 記念イベント

秋晴れの下、上条集落の特設会場で行われた記念式典

令和7年11月3日、日本で110番目の重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)「上条集落」の選定10周年イベントが行われました。主催は「上条組」と「上条を活性化する会」、共催は甲州市教育委員会です。

重伝建選定10周年記念イベントのチラシ

記念式典で挨拶する山梨家並保存会の石川代表

NPO山梨家並保存会の石川代表も来賓として招かれ、お祝いの挨拶をしました。

「NPO山梨家並保存会の歩み」
NPO山梨家並保存会は、山梨の歴史的景観を形成している古民家を保存活用する目的で、平成18(2006)年に結成されました。相談役は工学院大学元理事長の後藤治先生です。

平成16年度に(財)日本ナショナルトラストの観光資源調査が上条集落で行われ、それから4年後の平成20年に国交省からの補助金をいただいて、観音堂の修復ができるチャンスをいただきました。
  
当時、甲州市議会の議長であった桐原正仁氏が上条集落に強い関心をお持ちだったので相談したところ、地元の田辺民男議員などと協力して甲州市を始め上条組の住民の皆様に呼びかけ「元気な上条を作る会(現、上条を活性化する会)」が結成されることに。その後、元気な上条を作る会は、伝建地区に関する勉強会を開いたり、先進地視察や観音堂の屋根の茅葺屋根を葺き替えるための茅刈りをしたりと、上条集落の重伝建地区認定に向けての活動を続けてこられました。

そして、平成21年に観音堂の修復工事が完成。続いて、平成22年には甲州民家情報館(旧中村健一家住宅)の修復が完了し、二棟の美しい茅葺屋根が上条集落によみがえりました。

「甲州民家情報館」は、NPO山梨家並保存会が8年間借り受け、田舎暮らしの体験館として盛況のうちに運営を続けましたが、借用期限が切れた年に別荘として売買される危機に遭遇…公共性が高いとして教育委員会とも協議する中で、最終的に伝匠舎・石川工務所がこれを買い取り、引き続いて山梨家並保存会が「もしもしの家」と改名して運営を続けることになりました。

「大きい切妻屋根に突き上げ屋根」の民家。JR中央本線塩山駅北口に鎮座する重要文化財の甘草屋敷は裃(かみしも)を着た福助人形にも似ていることから福助型民家などとも呼ばれることありますが、このような形状の民家の集積地が上条集落なのです。古くは江戸時代後期より養蚕が行われていた地域で、全国まれに見る独特な古民家の外観は養蚕のための通風と採光を取るために生まれたものと言われています。

今まさに日本は古民家ブーム。日本中の古民家愛好家が古民家を求めて各地を探しまわっています。上条集落の知名度をもっともっと上げて、たくさんの方に甲州市を訪れていただくために、山梨家並保存会も「上条を活性化する会」と共に活動してまいります。

山梨県立笛吹高校「すいれき太鼓部」

和太鼓の記念演奏

NPO家並保存会が運営する「もしもしの家」の前で

上条庵でティータイム

福蔵院の駐車場で新鮮野菜の販売も

芯が黄色い白菜と紫色をした大根をゲット