2016年6月1日
市川大門の陣屋門を修理
いまだに理路整然とした古い街並みを残す旧市川大門町には、江戸時代には代官所が置かれていました。時に白州町の七賢酒造の主屋には御白洲(おしらす)に当たる平らな石があって、市川大門町から代官が来て、周辺地域の訴訟などを受け付けていたといいます。
市川三郷町指定有形文化財に指定されている「市川陣屋跡」。御陣屋と呼ばれている代官所は、明和2(1765)年駿府(静岡市)紺屋町陣屋の出張陣屋として始まり、寛政7(1795)年には正式に本陣屋となりました。しかし、天保6(1835)年の落合大火で元締官舎1棟以外は全て焼失してしまいます。
明治期に郡役所の庁舎となり、一部は役場と学校に使用されました。大正11(1922)年に町へ払い下げられ、その後県史跡に指定されました。
このたびの工事は、雨漏りがあって傷んでいた瓦屋根の修理と、正面にあった看板の消えてしまった文字の調査でしたが、残念ながら古い墨書は見つかりませんでした。
工事は平成28年4月着工、同年5月竣工、約40日の工程でした