2011年9月14日
遠妙寺本堂耐震工事ー制震のすすめ
東日本大震災では山梨県も震度5強を観測しました。大きな被害はありませんでしたが、屋根瓦がずれたり、壁が落ちる損害が出たようです。震災後、伝匠舎はいくつかの社寺から地震対策の相談を受けました。お勧めしているのが「制震」という考えに基づく補強です。揺れに耐える「耐震」とは違い、揺れを受け流すという考えに基づいています。
伝統的な日本建築は、木組みに「遊び」を持つ柔構造。遊びが揺れの衝撃を和らげ、建物を地震から守ります。法隆寺の五重塔をはじめ、国宝・重文クラスの建物は柔構造ゆえ、大地震にあっても倒壊せず、何世紀も超えて、今に姿をとどめているのです。
「制震ダンパー」という可動性の金具を、柱と梁が直交する部分などに取り付ける工法は、工事が容易かつローコストで、建物の見た目を損なわないのが利点です。
笛吹市にある遠妙寺本堂の耐震工事は着工が5月、完成が8月で約3カ月の工程でした。