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2021年5月6日

松亭蔵 甲府市民の忘れられた記憶が蘇える2

完成(南西側より全景)

昔の魚町二丁目(現在の甲府市中央三丁目)に、松亭(しょうてい)と呼ばれたいへん繁盛した甲府一の料亭がありました。

着工前の外観(同位置より)

ここに残っていた二棟の土蔵は、明治44年(1911年)に松亭を経営していた小野家の当主である小野源左衛門によって築造されたもの。昭和20年の甲府空襲の惨劇にも耐え、今日まで守り伝えられてきました。

外観南側正面


外観西側正面

甲府市に現存する、数少ない町屋建築として歴史的にもたいへん重要な建築物です。古建築にもたいへん憧憬の深い小林日登士氏が、縁あって小野家の親族から土地建物を譲り受け、小林氏が代表を務める昭和測量株式会社の社屋として、一昨年2019年3月より修繕工事に着工、同年10月に二階建ての蔵が完成。今回は、西側に建つ平屋建ての座敷蔵の修繕工事が行なわれました。

座敷。床の間には掛軸、床脇の天袋には襖絵


入口上には伊藤博文から松亭主人に宛てた書が掛けられている

工事の着工は令和2年11月、完成は令和3年4月、準備工を含めて約5か月の工程でした。