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2024年10月10日

北原家住宅 第二次改修工事完了

修理が完了した北原家住宅の正面外観

山梨県指定文化財「北原家住宅」(山梨銘醸「七賢」本社主屋)の修理工事が完了しました。

仮設足場を架け、外壁の桃色漆喰を塗り替えた

客間縁側の柱及び土台が腐朽していた為、柱に新材の柱を継いで修理を行う

山梨県北杜市白州町台ケ原にある北原家住宅は、江戸時代末期(嘉永7年/1854年)に建てられた豪商町屋建築の遺構として貴重であり、山梨県の有形文化財に指定されています。

「七賢」店舗内観、大黒柱と太い梁組が力強く見事

屋敷の一番格式の高いところに行在所(あんざいしょ)と呼ばれる座敷がある

行在所に面する庭には畳縁と白砂があり、かつては地域の裁判を司る代官所の役目も果たしていたと言う

長年かけて修復された「北原家住宅」ですが、歴史的な価値もさることながら、その建築の美しさは息をのむほどで、それ自体が美術品として高く評価されるものだと感じます。また各所に展示されている歴史的な文物も見応えがあり、このように有名な酒造会社の本社として、公開され生かされながら長く伝承されることの意義はたいへん大きいと感じます。

VIP客間、壁紙は和紙2枚を下張りしその上に仕上げの和紙を貼っている。襖も同じ和紙(枝紅葉・渋型濃淡金雲母摺り)での仕上げとなっている

縁廊下かを回り伝わって千本格子が美しい浴室と雪隠の棟に向かう

浴室にはオシャレな窓障子を復元、廊下と雪隠の三ヶ所を一つの照明で照らす仕掛け

北原家住宅の修理工事は、平成28(2016)年~平成30(2018)年の3年度に工事を分けた一次工事と、令和3(2021)年~令和6(2024)年の4年度に工事を分けた二次工事で行われました。一次工事は通算延べ約10か月、二次工事は通算延べ約14か月の工程でした。