トピックス

2025年11月15日

茶道 趣のある板木の音

茶道教室に品良く吊るされた板木

山梨市にお住まいの岩下様からのご依頼で板木(ばんぎ)を作成しました。素材は欅(けやき)材で大きさは約25㎝×18㎝、厚みは約45mm。小槌(こづち)で叩いた時の響きが良くなるように裏側にも深さ15 mmほどの掘り込みがしてあります。

板木の裏側には音を響かせるための掘り込みが

茶道の所作(しょさ)は禅宗寺院に習うことも多いようですが、禅宗寺院では鳴らし物によって修行の所作が全て決められています。お寺にはかなり大型の板木がありますが、これを槌で打ち破り穴が開くと、新たな板木を作るまでの間、厳しい座禅の修行を休むことができるのだとか。

座禅堂の入り口に掛けられた大型の板木

同じく裏側には音響のための掘り込みが

茶事のお稽古が行われた茶室

茶道における茶事では、お客様が待合または腰掛待合に集まると、お詰(つめ)が板木を打って「お客様がお揃いです」と亭主方へ知らせます。基本的には客の数だけ打つことになっているようです。
なお、板木の打ち方は流派によっても違いがあるようで、表す漢字も「版木」もあり、「はんぎ」とも読まれます。

お詰が板木を鳴らして合図する

待合にお揃いになったお客様の数を知らせる

今回見せていただいたのは、裏千家の教室で行われた「茶事のお稽古」における板木の使用でした。この板木の音によって茶事がスタートするとのこと、欅材の澄んで清らかな音色は、茶事の場に快い緊張感を醸し出したように感じました。

秋の深まった晴れの日のお稽古