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2012年5月15日

黄菖蒲(きしょうぶ)の家

竣工南西面 立派な大黒柱に太い梁、美しい建具、これらにまた磨きを掛けて後世につなぎたい。施主の想いは実ります。

竣工南西面 立派な大黒柱に太い梁、美しい建具、これらにまた磨きを掛けて後世につなぎたい。施主の想いは実ります。

世紀を超えて生き残っていくもの、それは「美」ではないでしょうか。140年を超えて生き残ってきた古民家は本当に美しい地域の宝であります。古民家は私たち大人が子ども達に残してあげたい、かけがえのない未来への遺産です。140年生きた命をあと60年生かす取り組み。200年住宅とは、延べ8世代(一代25年で計算)がリフォームして受け継いでいく家のことです。
再生工事が完成したころ庭先の池に黄菖蒲(きしょうぶ)の花が咲いていたので「黄菖蒲の家」と名付けました。「黄菖蒲の家」Y邸は明治期の甲州民家、二階建・切妻屋根の養蚕奨励型住宅です。幼少から青年期までを過ごした思い出の家を、140年を経て施主の御主人は再生する決断をしました。

工事着工は平成23年9月、竣工は平成24年4月、約7カ月の工程でした。

着工前外観 140年前に先祖が残してくれた家は傷んで汚れていたけれど、よく見ればたいへん立派な家でした。そこでまず、夫婦2人で住むためには大きすぎる家を減量シェイプアップ。

着工前外観 140年前に先祖が残してくれた家は傷んで汚れていたけれど、よく見ればたいへん立派な家。夫婦2人で住むには大きすぎる家を減量シェイプアップ

正面玄関に古材ギャラリーから蔵戸を使用

正面玄関に古材ギャラリーから蔵戸を使用

12畳の正玄関 一見無駄に見える平面計画が古民家らしいともいえる

12畳の正玄関 一見無駄に見える平面計画が古民家らしいともいえる

玄関の間と居間の根太天井を撤去し、大きな吹き抜け空間とし、高窓より採光する。窓辺にはキャットウォークを設ける。

玄関の間と居間の根太天井を撤去し、大きな吹き抜け空間とし、高窓より採光する。窓辺にはキャットウォークを設ける

唯一の和室7.5帖 室内を広く見せるために床柱を奥に引き込ませている。

唯一の和室7.5帖 室内を広く見せるために床柱を奥に引き込ませている

キッチン・ダイニング 二人掛けの特注ダイニングテーブルが見える

キッチン・ダイニング 二人掛けの特注ダイニングテーブルが見える

寝室の奥の間にウォーキングクローゼット

寝室の奥の間にウォーキングクローゼット

さらに二階は芸大出身の陶芸家の息子さんがいずれ住み、アトリエとして使ってくれることを希望し、手を掛け過ぎない清楚な大部屋に計画、予算の効果的な配分が計られた。

二階は芸大出身の陶芸家の息子さんがいずれアトリエとして使ってくれることを希望、手を掛け過ぎない清楚な大部屋に計画、予算の効果的な配分が計られた