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2019年8月6日

箱根・甘酒茶屋で茅葺屋根を修理

修理工事が完了した甘酒茶屋正面(南面)

「天下を旅する剛気の武士、大刀腰に足駄がけ八里の岩根を踏み鳴らす」と歌われた東海道箱根路に、古くより旅人に親しまれた茶屋がありました。箱根の「甘酒茶屋」は、江戸の昔より現在まで続く東海道の名所です。


現在の甘酒茶屋の建物は平成21年(2009年)4月24日に、古い甘酒茶屋の部材も一部使用して改築竣工しました。屋根は江戸の昔から変わらぬ茅葺屋根です。 

茅葺屋根を葺いてから10年を過ぎ、南西の部分に著しい腐朽が見られるようになりました。もともと湿潤で厳しい気象条件の場所ではありましたが、その原因の一番は屋根に覆いかぶさるように茂ったケヤキの大木でありました。修理工事の着工は令和元年6月、完成は同年8月、約2か月半の工程でした。

修理工事が完了した甘酒茶屋側面(西面)


覆いかぶさった樹木によって腐朽著しい南西面屋根


押しほこ竹が表われ、雨の流れる谷さえ出来はじめている


軒先から差し茅を行い、水上に向かって葺き上げていく


ほぼ修理予定個所の差し茅が完了した


職人の大きなハサミを使って軒付けから仕上げていく