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2025年2月1日

土屋華章の新社屋が完成

店舗入り口の暖簾には土屋家の家紋「三つ石畳」。壁の富士山の絵柄は第4代店主の土屋華章が会社の商品を包む包装紙などに用いたもの

土屋華章(つちやかしょう)製作所の創業は1821(文政4)年。初代の宗助が昇仙峡にある金桜神社に足繁く通い、それまで門外不出とされてきた水晶加工技術を会得して、前身の「玉潤堂」を創業しました。

以来今日の7代目に至るまで、土屋華章はどの時代も次々と「新しいこと」にチャレンジしていきます。2代目の宗八は、眼鏡のより精密な水晶レンズを研磨することで『甲斐国水晶鏡』として大衆に水晶めがねの一大ブームをもたらし、3代目の松華は水晶印鑑の研磨篆刻名人として、時の要人である大隈重信や伊藤博文からの注文も受けました。

明治に入り急速な近代化が進む中、蒸気機関車の車輪の動きにヒントを得た4代目の華章は、モーターで動く研磨加工用動力機械を開発。それは、山梨の水晶加工業界において近代化(産業化)の重要な画期的開発となりました。

現在の土屋華章製作所の工房テーマは「温故知新」。若き職人と共に7代目が工房を守り伝えています。

竣工した社屋正面(東面)

初めて当社が施主様より相談を受けて都内の某所に向かったのが2022年の5月、以来構想を温めながらの日々が続きましたが、この度、経済産業省の事業再構築の補助金を得て計画が実現しました。

竣工した社屋(山の手通りの道路向かいより見る)

改修工事着工前の社屋全景。右端には湯村温泉郷の名門旅館「常盤ホテル」が見える

竣工した社屋内観

日本を代表する宝飾産業の街「甲府」で、江戸の後期より水晶加工を生業としてきた「土屋華章製作所」は、実に7代にわたってその伝統を守り伝えてきました。
奥秩父の霊峰「金峰山」より産出された水晶は清らかで神秘的で…これを展示する店舗はいかにあるべきか?日本の水晶には日本の檜(ヒノキ)の無垢材の質感が合うのではないか?果たしてこの問いに当社は答えられたでしょうか…

土屋華章が最も得意とするのは精緻な水晶研磨細工
作例「竜」

伝統的な土屋華章作の水晶玉。皇室御用達の話も…

新装され華やかになった化粧室

洗面台には宝石タイガーズアイ(虎目石)の小壁

建築工事は、設計業務が令和5年(2023)12月~令和6年(2024)2月、施工が令和6(2024)年3月~令和6年9月、計約9か月の工程でした。