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2024年1月9日

身延山久遠寺祖師堂を修理

久遠寺祖師堂の外縁・高欄 保存修理完了

祖師堂(そしどう)は日蓮聖人の神霊を祀(まつ)る堂閣で、日蓮聖人(しょうにん)の像があり、その左右には直弟子六老僧の像が祀られています。

久遠寺祖師堂の西北隅高欄の保存修理

久遠寺の祖師堂は、明治8(1875)年1月10日の大火によって焼失しました。しかし、明治14(1881)年の宗祖600遠忌に際し、江戸時代の天保7(1837) 年に建立された荘厳な感応寺の大本堂が、天保12年の改革によって解体保存されてあったものを移築再建。久遠寺の本堂域西側では最も古い建造物であり、2018年には登録有形文化財に。
今回、祖師堂の西北隅の高欄が長年の風雨によって大きく損傷したため、保存修理工事が行われました。

西北隅の高欄は風雨によって損傷が大きく、古材の再利用が難しいという結論を得て、すべてを桧(ひのき)の新材にて、寸法工法は古式に忠実に作り出した

現場での木工事・仮組の様子

仮組を終えた高欄の木材は京都市中京区にある㈱さわの道玄に運ばれ漆弁柄(うるしべんがら)塗りの塗装がされた。2023年11月27日、社長の石川が工場を訪れ、工事の進捗状況などを視察。向かって右側は㈱さわの道玄の長屋代表取締役

持ち込まれた木材に何工程も漆弁柄が塗装される

使用木材は桧、これに弁柄漆塗りを行いました。漆塗りの8工程は、①木地調整、②木地固め(含侵補強)、③研ぎ(平滑に仕上げる)、④中塗り1回目、⑤研ぎ、⑥中塗り2回目、⑦研ぎ、⑧仕上げ上塗り、弁柄は酸化鉄が主成分の赤で茶系の色合いを帯びています。

職人による磨きの作業を見ることができた

漆塗りが完了した木材を現場で組み立て

工事の着工は令和5年9月、竣工は12月、約4か月の工程でした。