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2024年12月23日

南ア・古民家移築再生工事「S邸」完成

竣工 北東面外観。外部を大壁とし、機密断熱性、耐震性、居住性の高い住宅が生まれた

古来より日本では、古民家の移築が数多く行われてきました。この度、南アルプス市の小高い東斜面で甲府盆地を一望する敷地に、山梨県南部町にあった名門旧家の主屋が移築されました。

山梨県南部町にあった移築前の名門旧家主屋、家族構成に合わせて2/3に減築、適正規模の住宅とした

S邸再生の作業状況を日本民家再生協会「民家の学校」の生徒さんが見学に…手前で古材の修理の様子を、奥で小屋の仮組などを見ていただいた

優良な古民家には概して大型のものが多いため、今回も設計の段階で家族構成に合わせて減築が行われました。

竣工内観 玄関土間へ入って眺める吹き抜け空間は圧巻!

リビング・ダイニングより玄関土間方向を見る

41㎝×33㎝の大黒柱、経験では40㎝以上ある大黒柱はたいへん太く感じる

完成した住宅は1階の床面積が約19.5坪、二階は吹き抜けが多いため10坪、延べ床面積は約30坪とやや小さめですが、室内に見える大黒柱や大梁などの化粧構造材は木柄がたいへん太く、古民家再生の良さを十分に発揮する作品となりました。

リビング・ダイニングよりキッチン方向を見る

木質感あふれる洗面・脱衣室、奥に浴室が続く

豪快な登り梁が屋根を支える二階空間(子供部屋・ロフト)。窓からはたいへん優美な富士山の雄姿が望まれる

設計業務は令和5年9月~同年12月までの約3か月、工事の着工は令和6年1月~同年11月、約10か月の工程でした。(なお使用された古民家は、近年処分してしまうには惜しいとして解体格納されていたものです)