2015年10月15日
現代建築は短命!
ローマ(イタリア)にあるパンテオン神殿は、コンクリートを使ったドーム型の建築。すでに築約1900年を迎えて、今でも現役の神殿として信仰の対象です。ローマ人の建築技術はその耐久性という点では現代建築よりも優れていて、日本と同じ地震国のイタリアにあっても、偉大ないくつもの長寿命建築を生み出しました。
一方日本は、桧などの優良な木材に恵まれて木造建築が発達。
世界最古の木造建築といわれる法隆寺の金堂や五重塔はすでに築1300年を超えて現役です。
これに引き替え、東京にあった国立競技場は築57年であまりにも短い生命を終えました。驚くことに日本にある現代建築のほとんどが60年を待たずその寿命を終えています。もしそうだとすると100年後の東京はどうでしょうか?今ある東京の建築物のほとんどが建て替わってしまえば、今とは全く違った景観になっているのでは・・・?
少し専門的に考えてみると、基本的に鉄筋とコンクリートの相性は悪く、鉄筋コンクリートの建物は100年の経年変化に耐えられないのです。「鉄筋が入っていなくても自立する建築」を設計するべきではないでしょうか? ローマのパンテオンがまさにそうであるように!
住宅の度々の建て替えは子子孫孫にわたってローンの支払いという負担を残します。同じように社会資本の速すぎる廃棄処分は、子子孫孫にわたって赤字国債の負担を負わせます。しっかり造って後世に伝える建築物の構造体を、もう一度考え直すべきではないでしょうか。100年残らない建築物などは、歴史文化を育成しないという点では、いくらスタイルが良くとも、大した値打ちものではありません。