2007年1月10日
伝匠舎社長が高校の講師に
伝匠舎の社長石川が伝匠舎の仕事について講演をしました。
10月30日に県立日川高校の1年生、11月15日には県立甲府工業高校の専攻科(建築)の学生さん対象です。後日、それぞれの学校の何名かの学生さんより感想文を寄せていただきました。
特に、スライドで紹介したヨーロッパの民家事情に関心が多く集まったようです。 茅葺き屋根が日本特有のものでなく海外にもあること、しかも現在でも大切に使われていることに、驚きを感じている方がたくさんいました。 古民家再生が持つ自然環境への配慮という姿勢が、学生さんにも伝わった感がします。
プロジェクターの映像に熱心に見入る学生達
日川高等学校生徒さん 『職業人は語る』講演会の感想
「家を建てることは直接、または間接的に自然に関わっていると分かった。(進路にも関わってくるので)自分で少し調べてみたい。」
(清水 一毅)
「石川さんのお話を聞いて、心からやりたい!と思えるような仕事に自分も就きたいと思いました。できるだけ苦手をつくらず、やりたいと思った時に手遅れにならぬよう勉強しようと思いました。」
(橘田 円香)
「石川さんのように自分の仕事に誇りをもって働けたらいいと心から思いました。家の造る工程を見学してみたい。」
(雨宮 綾子)
「世界の家や屋根の形がおもしろかった。外国の木が無くなるほど、日本は 木材を消費しているので使い方を考えなければならないと思った。」
(小池 将一)
甲府工業高等学校専攻科学生さん 専攻科特別講習会の感想
「日本特有の文化や風土を残すためにも、日本家屋を維持していくのは必要だとおもいました。ただ、現状では手間や維持費、安全面他、現代人の家への意識を背景を考えると難しいんだな、と思いました。」
(相沢 加奈子)
「現代の一代一代で家を建てるという考え方は、施主にも環境にも大きな負担になり大変だと感じました。」
(青柳 大樹)
「古い建物の魅力に惹かれ建築の世界に入ったので、お話は楽しく且つ、勉強になりました。自分も古民家の再生や社寺建築のような仕事を手掛けていきたいと思いました。」
(大木 裕一)
「古民家再生の意図として、石川さんがお話した、単一的ではないそれぞれのライフスタイルが存在する家屋とその景観を大切にする心に共感しました。」
(大澤 輝)
「自分も昨年、古民家を解体から基礎、建方まで携わったのでたいへん興味を持って講演を聞きました。昔の工法と今のやり方を組み合わせて良い家を造っていきたいと思います。」
(三枝 博一)
「恐れるのは、古民家再生が単なる文化遺産、美術品、工芸品になってしまい、現代社会から遊離してしまうこと。大きな視点で検証可能なプロセスに基づいて取り組まないと単なるブーム、趣味の範囲を越えていく事はできないと思った。」
(佐々木 孝)
「古いものと現代の考えの相違という、古民家が直面している問題に考えさせられました。古民家再生事例の写真を見ての講演は自分が施主になった感じで楽しいものでした。」
(鶴田 浩史)
「民家の再生によりアメリカ、カナダ、ロシアあるいは東南アジアの木が助かるという事に興味をもちました。」
(三井 健)
「歴史的造形美を現代の建築に取り入れ、新しいものと古いものの魅力的な融和を図ることの大切さは建築全体に共通することだと思う。」
(矢崎 良)
「古材を使い手間をかけて家を建てるのは、大変だけど古民家の歴史と雰囲気を守ることだと思うので頑張ってほしい。」
(若林 良)
「新材ではなく古材の耐久性をへ信頼し改築を進めていく石川さんの姿勢はすごいと感じました。
(高橋 隼)
「法や予算のことなど理想と現実の問題があると思いますが、こと古民家再生に関しては<大人の良識・判断>が大切であろうと思います。」
(窪田 正樹)
「日本では金額の面で改修ではなく、新築に流されがちです。既存のものを生かすには法令など制約も多く、同じ金額でやるにはリスクがありそうというのが、一般的な考えかと思います。環境を見据えての家造りが広がることを願ってやみません。」
(矢崎 聡美)
「新築以外でも様々な形で新しい家を造る方法があることを知って良かったです。個人的に洋風の家がすきでしたが、講演を聞き和風の家にも興味を持つことができました。」
(飯塚 絵梨香)
「和風建築を好む世代にとっては再生民家という方法を選択する人も多いと思います。しかしもう少し下った私達世代は、お話の通り潔癖を望む者でしょう。新築や洋風デザインでないとお客が付かない話を聞きます。町並みから昔の建物がなくなるのは寂しくかんじています。」
(佐田 善誠)
「古民家再生が民家そのものだけでなく、再生過程の技術も守っていくものだと感じました。コストや法規など様々な課題がありますが、裏返せば古民家再生という建築ジャンルがまだまだ発展していくものだと感じました。」
(田辺 ますみ)