2013年5月29日
気仙沼・尾形家住宅ーシンポジウムを塩山で開催
「被災地で歴史ある風景を残すために」と題したシンポジウムが塩山で開催されます。震災から2年が経過しました。被災地では日常の生活を取り戻すことさえ多大なる時間を要します。そんな中、「歴史的建造物の修復や保存」までにはなかなか目が向けられないのが実情です。
しかしながら、長い時間をかけて作り上げられてきた「歴史ある風景」や「歴史的建造物」は一度失ってしまうと取り戻すことができなくなってしまうものです。このように被災地での文化財の保存については課題が多いのが現状です。
この度のシンポジウムでは、そのような問題を踏まえ被災地における文化財の保存について考えます。第一部の事例報告では、破損の状況やその後の修理保存方法など様々なケースを具体的にみていきます。第二部では大工による文化財修理の実演をおこないます。この実演には気仙沼で被災した「尾形家住宅」の構造体を使います。
シンポジウムの主催は、尾形家修復保存会です。尾形家住宅は、3・11の震災で流され、小屋組みと屋根だけが残り、他の部材はバラバラになった状態でした。震災の前、工学院大学の後藤研究室の調査研究により、文化7(1810)年の建築で漁村に残るたいへん貴重な古民家であることが解っていました。
その後、登録文化財の指定を目指していましたが、震災に会った後は、この民家を何とか救いたいとする有志の方々の努力で昨年5月までに解体され、柱等の部材や民具などが保存会の皆さんをはじめとする多くのボランティアの協力を得て、瓦礫の中から回収され、現地に保管された状態でした。
弊社では保存会の依頼を受け、部材を山梨へ運び保管しており、この度のシンポジウムでは修理技術の実演講習にてご協力させていただきます。皆様奮ってご参加ください。
日時:7月14日(日)10時から15時(受付9時30分から) ※終了しました
会場:山梨県甲州市塩山「甘草屋敷」(重要文化財 旧高野家住宅)JR中央線 塩山駅北口 正面
参加費:無料
申込み:メールまたはファックス
メールアドレス info@ogata-kesennuma.com
ファックス 03-3237-1190
〆切:7月8日
問い合わせ:日本ナショナルトラスト
電話 03-6380-8511(担当:吉田・土井)