2014年6月8日
現存する日本最古のワイン醸造所
平成26年6月7日(土)シャトー・メルシャンのワイン資料館(旧宮崎第二醸造所)の築110周年記念講演会で、甲州市教育委員会の室伏徹さんと弊社社長の石川が「旧宮崎第二醸造所の建物としての価値」という演題で記念講演を行いました。
山梨県の指定有形文化財に指定されているこの美しい蔵造りの木造建築について、弊社社長は特に、この建物の美術的な価値について言及し、いずれ必要になるであろう現状変更による改修保存修理の重要性について述べました。
その要旨は、明治37年(1904年)建立のこのワイン醸造所は、醸造(ブドウを砕き、搾り、発酵させる)段階では突き上げ屋根の天窓から光を取り入れ作業をし、完成したワインを保存樽に移して熟成の段階に入ると、今度は天窓の雨戸を閉ざし冷暗所を造る蔵構造の建物であったこと。
電気が供給されず、当然電燈の無かった当初の時代には、現在あるような天井は張られておらず、美しい壮大なキングポストトラス構造の小屋組みが連続して連なり、奥行きのあるリズミカルな建築的な内観が、迫力をもって見られたこと。その内観をいずれ復元すべきことを訴えました。
館長の上野昇様には弊社社長に、ワイン造りの歴史などについて熱心にご教授を賜りありがとうございました。