トピックス

2015年4月12日

実は災害に強い!古民家SP

TV番組
日本古来の建築技術や職人技に迫る!

日本古来の建築技術や職人技に迫る!

テレビ朝日「世界が驚いたニッポン!スゴ~イデスネ視察団」
2015年4月11日の放送に伝匠舎が登場致しました!ドイツの大工マイスターティム・ゲァウィング氏とフランスの建築会の重鎮クリスティアーヌ・モラード氏。免震構造や木材をよみがえらせる伝統技術をどう評価するのか?!

筑波大学名誉教授、建築家の安藤邦廣さんと共に日本の古民家とその移築現場を視察。4つのポイントに注目して古民家の素晴らしさを伝えます。

[1]地震の揺れを逃がす構造
//古民家には柱と基礎を固定しない地震の揺れを吸収できる技術があった!//
「石場建て」といい、石と柱を固定せず石の丸みに合うよう柱の底を削ってのせる方法。地面に固定せず、地震の時は多少滑ることで地震の力を吸収するのです。

[2]適材適所の木材利用法
//曲がった木材を適材適所で使い、災害に強い構造を生み出していた!//
古民家で特徴的なのは土間。たくさん柱があると邪魔になるので、梁を組んで大きな空間を作り出します。その材料としてよく用いられる松は風が強いところに生えているので曲がっていますが、強度があるため屋根の重量を支える梁に最適なのです。また、別の梁との交差部を組む事で災害に耐えられる丈夫な構造を築き上げます。しかし、曲がった木を建築用に仕上げるには高度な職人技が必要です。

視察団が伝匠舎の井尻作業場へ

視察団が伝匠舎の井尻作業場へ

[3]古民家を再利用する技術
//木材を再利用して地震に強い木造建築を再現していた!//

5年前に解体された古民家の木材

5年前に解体された古民家の木材

家の中心にあり全体を支える大黒柱

家の中心にあり全体を支える大黒柱

「大工さんが丁寧に加工して100年くらい経った木というのは古くても決して強度は落ちていない、むしろよく乾いているという点で良い材料になっていると言ってもいいでしょう。日本は災害も多いし社会的にも建物を移動することは昔からよくやってきた。木材資源に限りがあるため、一度造った建築は解体することも念頭において設計しているんですね」と語る安藤教授。

(ここから古民家が移築される建築現場へ)
基礎の上に柱と梁を元通りに組んでいきます。大黒柱の下には縁起を担いだ小銭を置くのが古い風習。現代でもそれは守られています。木組みは柔軟性を最大限活かすことができ、衝撃を逃がしダメージを軽減するのです。

古民家を再利用する技術

古民家を再利用する技術

[4]傷んだ木材を再生する職人技
//古い木材の弱った部分を補強し、災害に強い木材を再利用していた!//
「継手」といい、新たな木材を継ぎ足して補強する技術です。日本に古くから伝わる伝統技術で、接着剤などは使いません。ドイツでもフランスでも同じような方法はあるが、小さな出っ張りはないそうで、日本ならではの「金輪継ぎ」という、金でしっかり縛ったぐらい強い継ぎ方です。最後に込み栓を入れると上からギュッと入ってピッタリ隙間無くくっつきます。

新たな木材を継ぎ足して補強する技術

新たな木材を継ぎ足して補強する技術

傷んだ木材を再生する職人技

傷んだ木材を再生する職人技

視察団は、日本古来の建築技術を目の当たりにし、自国との違いに驚き、また日本という国ならではの知恵や技術に感心していました。日本の伝統的建築技術を伝承していくということを一つの使命と考えております伝匠舎にとりまして、この番組に協力できたことは意義深いものでありました。