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2015年5月16日

賀茂春日神社本殿 保存修理工事

竣工本殿(南東面)

竣工本殿(南東面)

2015年3月、笛吹市春日居町にある賀茂春日神社本殿の保存修理工事が竣工いたしました。その名のとおり賀茂神社・春日神社が合祀された神社です。本殿は元禄14年(1701年)に甲斐国城代三枝摂津守が再建し、笛吹市指定文化財となっています。

竣工本殿(北東面)

竣工本殿(北東面)

正面三間、側面二間の三間社流造で、屋根は建築当初は檜皮葺であったのが、昭和9年(1934年)に銅板に葺替えられました。広い境内に建つこの本殿は三間社流造の本格的建築で規模も大きく良く整っており、山梨県内に数少ない三間社流造の建築として貴重な遺構であります。

【賀茂春日神社の由来】
賀茂神社は欽明天皇の御代(540年)に創建、春日神社は、文武天皇の御代(698年)山上億良の孫・甲斐守山上船主が京都より勧請。古くは二社が並び建っていました。

古来、武神として崇敬され、特に国守や武将の信仰が厚かったため、康平年間(1061年)には八幡太郎義家が武運長久を祈願し御幣を奉納したといいます。また、義家の弟である源義綱はここで元服して賀茂次郎と改名しました。

永正14年(1517年)武田信虎の時、子酉川(今の笛吹川)が氾濫した大洪水により社殿社地が流出し、更に天正10年(1582年)中牧合戦の折兵火にあい社殿焼失。その後、天正11年(1583年)徳川家康入国の際、貫文及御朱印を賜り再建され、合社となったといわれています。

合社のためか祭神は、玉依姫命(たまよりひめのみこと)、
神倭伊波礼否毘古命(かみやまといわれひのみこと=神武天皇)、賀茂別雷命(かもわけいかつちのみこと)、天児屋根命(あめのこやねのみこと)、経津主命(ふつぬしのみこと)、武甕槌命(たけみかつちのみこと)の六神で、賀茂・春日両社の神々が祀られています。

また、武田晴信(信玄)奉納の和歌が伝わっているのも興味深いですね。
「君を祈る賀茂の社のゆう襷
かけて幾代か我もつかえん」

(参照:ふえふき観光ナビ・全国神社祭祀祭礼総合調査 神社本庁 平成7年・社頭掲示板)