2015年5月23日
嗚呼アーチ橋よ永遠に
群馬県安中市にある「アプトの道」。かつて碓氷峠を越えた鉄道が廃線となり遊歩道となりました。ここに1893年イギリス人技師パウナルの設計によって完成したレンガ造りの4連のアーチ橋があります。
全長91m、川底からの高さ31m、ほぼ10階建のビルの高さに匹敵します。使用された煉瓦は約200万個、関東大震災にも耐えて現在122歳、いまだ勇壮にたたずむその姿は、見る人に大きな感動を与えています。
思えばアーチやドームといった構造体は、イタリアような地震国にあっても悠久の長い年月を耐えてきました。たとえばローマにあるパンテオン神殿はコンクリート製のドーム建築ですが、現在1891歳になってまだ現役です。
これに引き替え、東京神宮にあったオリンピック競技場、鉄筋コンクリート造でできた国家的プロジェクトでありながら、なんと57歳でその短すぎる命を終えました。
鉄筋コンクリート造?その耐用年数は意外と短くて60年と言われています。・・・それにしても100年後にはもう存在しない大多数の建築物群が、はたして未来の豊かな日本文化を育むものでしょうか。