2015年5月25日
勝沼にある古い銀行跡
甲州市勝沼町にある山梨県指定文化財・旧田中銀行。平成14年保存修理工事をいたしましたが、このほど13年ぶりにその屋根と壁について修理工事が行われました。着工は平成27年1月、竣工は同年3月、ほぼ3か月の工程でした。
博物館として活用されている旧田中銀行社屋は、明治30年代初期に「勝沼郵便電信局舎」として建設された藤村式建築の流れをくむ擬洋風建築です。大正9年に「山梨田中銀行」として改修。敷地内の土蔵(レンガ倉庫)とともに平成9年に国の登録有形文化財に登録されました。
1階は銀行時代の貴重な品々、2階には第二次大戦中疎開していた北白川宮関係者の遺品が展示してあります。高い天井やバルコニー、手すり付きの螺旋階段や引き上げ窓などに凝洋建築の名残を感じる館内。また、扉の随所に見られる「ペンキ木目」と呼ばれる模造木目は県内にはほとんど残っておらず、貴重な資料となっています。
伝統技術を身につけた大工棟梁たちは、伝統の側から洋式建築を解釈し見よう見まねで建設。錦絵や建物の見聞を通じて得た情報をもとに建てられた擬洋風建築のノスタルジックな世界を味わえる場所です。
(参照:Wikipedia)