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2016年2月25日

千代田区:常磐橋(ときわばし)災害復旧事業

歴史を感じさせる石造りのアーチ橋

歴史を感じさせる石造りのアーチ橋

東日本大震災の影響により、大きなゆがみや変形を生じた常磐橋(史跡「常盤橋門跡(もんぜき)」内)の落橋を防ぐための災害復旧事業。縁あって弊社も携わることに。

水面に映る姿も美しい

水面に映る姿も美しい

■常磐橋について
江戸時代には木橋でしたが、外郭諸門(萬世橋・鍛冶橋・呉服橋など)を木橋から石橋に架け替える計画の一環で、明治10(1877)年に架橋されました。

都内に現存する石橋としては最も古く、大理石による八角形の親柱や唐草の意匠(いしょう:工夫)が施された鋳鉄製の手摺柵など、伝統的な石造技術を基盤としつつ、西洋近代的な意匠を取り入れた、最初の折衷様式の石橋なのです。

余談ですが…
日本橋川には3つのときわ橋が架かっています。上流から「新常盤橋」「常磐橋」「常盤橋」の順番。今回の現場である真ん中のこの橋だけが「常磐(下が石)」なんです。

磐(下が石)の方が、盤(下が皿)より頑丈に見えるのでこの字を使ったという説も

磐(下が石)の方が、盤(下が皿)より頑丈に見えるのでこの字を使ったという説も

■現場での様子
シートパイル(施行前に止水矢板で区画する)工法による止水壁が施され、土台まで見通すことの出来るステージ、水面に浮かぶクレーン等、ダイナミックな仮設が設けられていました。昔の人はどの様に工事をしたのか?非常に気になるところであります。

仮設の土台の上でクレーン作業等も可

仮設の土台の上でクレーン作業等も可

今回、弊社では輪石(アーチ構造を形成する石)の始点部分、橋の土台となる基礎部分を担当させていただきました。

土台は18cmパイ×長さ7mにもなる木杭の上に、十露盤(そろばん)木(各列の杭に荷重を分散させる)、捨土台(各列の十露盤木に荷重を分散させる)から成ります。

土台の一番上部分、捨土台の状況

土台の一番上部分、捨土台の状況

土台の木杭

土台の木杭

番付け札を打ち付け、解体に臨む

番付け札を打ち付け、解体に臨む