2016年10月11日
水中に浮かぶ木材はいったい何?
「松材は水の中では腐らない」ということをご存知でしょうか?日本橋川にかかる石橋を支えている杭や土台は、驚くべきことに日本の赤松材です。その石橋のひとつに、東日本大震災の影響により大きなゆがみや変形を生じた常磐橋(ときわばし)があります。落橋を防ぐための災害復旧工事が現在行われていますが、弊社はその基礎部分の木工事を担当しております。
明治10年に架橋された際に敷設された基礎の松材は、約140年間石橋を支えてきました。しかし、さすがに劣化が見られる為、現在は松の土台の腐朽箇所を同種の材料で剥ぎ木する仕事をしております。
松材は乾燥させると収縮変形が進むため、川底で水に浸かった状態で保管しなければならないというのです。そこで現れたのが弊社作業場にできた仮設の水槽。
「含水率20%以下」などと言って乾燥度が重視される建築業界で、「木を湿らせて作業する!」という弊社始まって以来の”ウエットな仕事”となりました。