2018年3月7日
大本山向嶽寺総門 修理工事完了
臨済宗の大本山向嶽寺の総門(通称「黒門」)は江戸期に建立されました。四脚門としては、たいへん雄大なもので、間口が15尺(4545mm)、奥行きが14尺(4242mm)、関東にある数ある四脚門の中で最大級のものです。
県道の拡張により移動を余儀なくされた総門は、2015年9月5日地鎮祭が行われたのち全解体され、部材は伝匠舎の作業場で腐朽箇所の修理がおこなわれました。その間、現場では現況より4m北へ移動した位置へ基礎を打設、6個の巨大な礎石が移動されました。
調査の結果、柱脚の2度切り詰めによって15cmほど柱が短くなっていること、腐食によって柱脚の楚盤が6本とも失われていることなどが判明。修理方法は、文化財の学術的な専門家に相談する中で、これら後世の改変部分を現状変更して、元の形状に復することになりました。これによって総門の高さは約45㎝高くなったのです。
工事着工は2015年9月、県道の土木工事に合わせ最終的な工期は延長され、
落慶竣工式が行われたのは2018年2月、実に約2年5か月に及ぶ工程でした。