2018年3月20日
甘草屋敷 自給自足の必需品「地実棚」
国の重要文化財の旧高野家住宅(甘草屋敷)主屋の裏庭に、地実棚(じみだな)という峡東地域独特の屋根付きの棚建築があります。
その建物は二階建てで屋根は正面が高く短く、裏面は長く一階まで葺き下ります。四方に壁はなく風が吹き抜けるために、柿や大根など収穫された農産物等の保存乾燥に使われました。まるで主屋の突き上げの部分だけを切り取って庭に建てたような独特な形をしていますが、自給自足が原則の時代にあっては必要不可欠な施設でありました。
※地実棚について、Facebookのメッセージで頂いた貴重なお話を加えます。
主に「クリ」を干すための棚です。そのため、東山梨地域ではジミダナで干したクリ(カチグリ)のことを「ジミックリ」と呼んでいました(諸説あり)。
屋根面積は約37㎡、叉首(さす)より上の竹下地を取り換えての葺き替え工事となりました。着工は平成29年11月、完成は平成30年3月、準備工まで含めて約4か月の工程でした。