2018年5月5日
W家住宅の再生工事
1963年築造(築約55年)のその家は、富士を真南に遠望する日当たりのよい小高い山麓に建っています。昔懐かし田舎風な入母屋造りの平屋建てですが、上屋の瓦屋根の下に下屋の屋根が入り重なる豪華な屋根の造りとなっています。
すでに半世紀を過ぎていますが、思いのほか架構は堅牢で、昔の職人の誠実な仕事ぶりが偲ばれます。
真壁式の伝統民家でしたが、気密性・断熱性・対候性などの要求から、外壁を大壁、内壁を真壁とする蔵式の再生を選択しました。
特に、畳敷きの座敷2間と縁廊下を広い1間の板敷きに改造するために、小屋の軸部材の接合部に制震用のダンパーを必要数設置、ほかにも耐力壁を要所に配置するなどして建築物の耐震性を高めています。古い間取りの古風な住宅が、その風情を残しながらも、新しい生活様式に適応して再生されたモダンクラシックな再生の好事例。
工事着工は平成29年11月、完成は平成30年4月、解体工事も含めて約6か月の工程でした。