2018年8月6日
重要文化財 八代家住宅で見学会開催
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茅葺屋根の葺替工事が行われている重要文化財の八代家住宅
江戸時代後期に建てられた八代家住宅は、国指定重要文化財建造物です。主屋は大きな入母屋造りの茅葺屋根と田の字型の間取り、広い土間など、峡北地域の民家の典型的な姿をしています。
平成30年2月から8月までの期間に、主屋・長屋門・文庫蔵・穀蔵・味噌蔵の修理事業を実施中。茅葺屋根の葺き替えや漆喰壁の左官工事で、伝統工法を用いた修理作業の様子を皆さんに見ていただく目的で見学会が開催されました。
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北杜市の文化財担当者から説明を受ける見学会参加者
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参加者は茅屋根用のハサミで実際に茅を刈る体験も
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妻の棟近くの屋根を葺く職人。高度な技術が必要な部位
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上から伝匠舎茅葺職人の加々美棟梁、茅葺職人の上田くん、新津くん
茅葺屋根葺き替え作業中ですが、連日猛暑が続くなか現場作業員から「エアコンをかけた現場事務所にいるより主屋の茅葺屋根の下にいたほうが涼しい」(?!)という発言があり、確認のため8月4日の見学会当日に温度計をもって計測することに…
午前11時現在の外気温はすでに34.3℃、対して主屋の室内は29.9℃、約4℃ほどの温度差が確認できました。しばらく床に腰を下ろして休んでいると、汗は引いて、時折吹き抜けるそよ風が実に心地よいのでした。茅の厚みが60cmという八代家の大屋根は、驚くべきことに夏の暑さを遮断し、室内を健康的な適温に保っているのでした。
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現場には熱中症対策で冷えたお茶と塩飴が常備
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猛暑でも、そよ風が吹いて快適な主屋の室内写真
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日中はエアコンの利きが弱い…現場事務所のコンテナ