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2020年12月3日

清白寺庫裏 美しい茅葺屋根が再び!

竣工正面
庫裏の玄関は正面妻入りが伝統的な形

山梨市にある重要文化財・清白寺庫裏の茅葺屋根の葺き替え工事が約30年ぶりに行われ、このたび完成しました。

30年ぶりの葺き替え工事でしたが、茅屋根としてはたいへん長寿の記録だということです。その要因を考えてみますと、丁寧で良い仕事ぶりもございますが、思い当たるのは前回茅屋根を葺いた時の初期対応の良さで、御住職が完成した日から毎日欠かすことなく、大きな囲炉裏でガンガン薪をくべて屋根を燻しておられました。当時お訪ねした際には、いつも煙で目が痛かった事を思い出します。葺きあがって半年~1年が勝負だったのでしょうか?煙の殺菌作用もあって、茅が乾燥し、茅の腐敗菌が死滅し、害虫が駆除されたのだと考えられます。

国宝・清白寺仏殿の東側奥に庫裏が見える


工事着工前の庫裏の様子


日本の美しい茅葺屋根が完成


ディテール 棟


ディテール 軒先


竣工背面

令和2年2月に準備工事が始まり同年11月末に完成、約9か月の工程でした。令和2年8月8日(土)にはご住職をはじめ檀信徒の皆様、市の教育委員会の担当者の皆様が集まって現場見学会が開催されました。設計管理は、公益財団法人 文化財建造物保存技術協会です。