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2023年9月21日

みちのく民俗村で茅葺研修

「みちのく民俗村」の里山風景

令和5年9月19日(火)、20日(水)と岩手県北上市にある「みちのく民俗村」で、(公社)全国社寺等屋根工事技術保存会の主催する第25回茅葺フォーラムが開催されました。

広い土間がある旧北川家住宅の内観

平日の火曜日でしたが愛郷教育の一団?

「みちのく民俗村」は、里山の自然の中に北上川流域の古民家10棟や歴史的建造物が点在する東北有数のテーマパークです。大正ロマンを感じさせる民俗資料館で放映されていた、北上周辺の里山の「しごと」と「暮らし」を収めたドキュメント動画は、今では見られなくなった昔懐かしい映像にあふれていて、たいへん美しい作品となっていました。

研修生の実習が行われている水車小屋の現場を見学

茅葺研修に参加した社長の石川

このフォーラム中、茅葺職人の技術向上を目的とした現場実習が園内にある水車小屋で行われました。参加した研修生は、熟練職人が指導員となって、茅葺屋根の葺き替えを解体から完成まで体験しました。フォーラム初日には多くの会員が参加する中で、この研修作業の現場見学会が行われました。

講師の窪寺茂先生(建築装飾技術史研究所所長)

テーマ「屋根茅葺技術の伝統性を考える」

翌日20日は、同園内にある北上市立博物館の会議室において協議会と特別講演会、並びに研修生による現場実習の発表会が行われました。講演会講師の窪寺茂先生(建築装飾技術史研究所所長)は、長年文化財建造物の保存修理を実践指導されてきた方で、今回の講演のテーマは「屋根茅葺技術の伝統性を考える」でした。

<以下、講演会で得た特記事項>
・民家の古いものの特徴 → 軒が低い。土間が広い(40%)
・近年茅葺屋根が短命な理由 → 機械編み縄を使用前に叩いて馴染ませる
縄の締めが甘い、針金の締め具合が甘い → 抜ける、半年後建物周りが抜け茅だらけ
イロリ、カマド(煙の効果) → 煙より温度で茅が乾燥する
【社長の私見:葺きあがってから半年が勝負!煙で殺菌乾燥させる】
・豪雪地帯の茅屋根の湿気 → ススキの方が湿気はたまらない
・茅は元の方が強い、あまり刈り込まずに叩いて仕上げる方が良い?
・葭(よし)は固いので軒付けのハサミ跡が残る!
・ススキは葉を落とすこともある、秋狩りの茅は湿気多し
・ススキは葉が多く仕上げるのにハサミが必要

研修生による現場実習発表の様子

全国から社寺屋根保存会の会員が集まった