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2021年5月10日

大村博士生家 保存改修工事完了

主屋「蛍雪寮(けいせつりょう)」竣工外観

ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士。生まれ育った生家と土蔵は、令和元年11月15日に国の登録有形文化財に指定されました。その再生改修工事は、韮崎市の公共工事としてプロポーザル方式で公募され、令和2年4月大変名誉なことに弊社が受注、その重責を担う事となりました。

生家については、構造体や既存部材を再利用する為の全解体と繕い作業を施し、新設された基礎の上に一部増築された部材を組み込む等、建築基準法上の新築扱いで施工される工事内容で、登録有形文化財としての価値を損ねない設計や施工が要求されました。

主屋内観 囲炉裏に座って大土間を見る


主屋内観 囲炉裏の間より座敷を見る

韮崎市では、明治40年頃に建てられた主屋をセミナーハウスに。大正5年頃に建てられた土蔵の一階をシェアキッチンとし研修や展示会の会場に、二階は移住体験の「お試しハウス」として利活用をはかる予定です。

奥座敷に掛けられている書。
大村博士の出身校、韮崎高等学校の学生のために書かれたもの

土蔵については、一部増築して現地再生改修の工事となり、使用用途に合わせた設計が行われ、やはり登録文化財としての保存改修工事となりました。

竣工蔵外観(東面)


竣工蔵一階内観(厨房・カウンター・ホール)


竣工蔵二階内観(和室8畳の北の間と南の間)

一番苦慮したのが建築法規をクリアした上での意匠や施工の方法です。例えば、換気扇や給気口本体、ダクトの配置や経路、外部に取り付ける排気のフード等の処理、換気量を確保する為の開口等で、如何に目立たなく設置し、金属等を直接露出させない工夫や施工が必要となりました。

オープンセレモニーの様子(テープカット)

令和3年3月、約1年に及んだ工事も無事完成、令和3年4月10日(土)韮崎市長の内藤久夫様はじめ市議会議員の皆様、近隣区長様など関係各位が大勢参加してオープンセレモニーが挙行されました。

内藤久夫市長より感謝状をいただいた

式典終了後、施設の見学会がございましたが、それまで弊社が行ってきた工夫や努力、大工職人の技術や意気込みが、訪れた方々に伝わる様な建物に仕上がりましたでしょうか。ぜひ一度足をお運びいただき、ご覧いただければ幸いです。