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2022年2月10日

SDGs 金櫻神社 境内の樹で拝殿建設

金櫻神社境内 拝殿建設のための杉と桧を伐採

山梨県と長野県の県境に位置する奥秩父連峰の盟主である金峰山(きんぷさん)。金峰山信仰の里宮では県内最古に属する金櫻神社が山梨県山梨市牧丘町の杣口(そまぐち)にあります。「杣」とは木材を切り出す山のことで、その入口にあることから「杣口」という名がついています。


金櫻神社の境内には鬱蒼と木々が生い茂り、薄暗い参道の先に社殿が鎮座していました。長年手つかずとなった木々は、大きく立派に育った一方で、社殿に暗い印象を与えていたのです。

木々に囲まれ光が届かなくなった社殿

かつて、日本の山林は建築用材として育成され、伐採活用され、また植林されることで、その景観が美しく保たれてきました。今回、拝殿の新築建替工事にあたり木材が値上がりする中、これを使わない手はないと考えました。梁や柱などの用材に境内の木々を使用し、この地ならではの唯一無二の拝殿を作り上げるSDGsな計画です。

金櫻神社拝殿新築建替え工事 完成予想図


山師により手際よく伐採されていく


木はその場で4m10cmや5m10cmの長さに切り揃えられ搬出


すっきりした境内、明るい日差しが社殿を照らす

熟練した山師の協力を得て、造作材になりそうな杉や檜を選定、2021年11月下旬に伐採しました。20mの高さを超える木が、バリバリバリという大きな音を立てて倒れる姿は圧巻の一言。これらの木々が拝殿として生まれ変わり、後世に引き継がれる建築物になることを考えるだけでワクワクします。

山で伐採された木材が製材所のストックヤードに運ばれた


製材所の大きな帯鋸(おびのこ)で 木取り名人が所用寸法に裁断


加工した木材は養成して、良い環境で1年ほど乾燥させる

伐採された木は製材所に運ばれ、建築用材として使うために裁断されました。生木のまま使用すると反りやひねりがでてきてしまうため、ここから約1年乾燥させる必要があります。木材置き場に保管された金櫻神社の木々達は、今か今かとその出番を待ち望んでいることでしょう。