2022年2月20日
大本山向嶽寺 大庫裡屋根他修復 完了

参道から見た大本山向嶽寺の大庫裡
臨済宗向嶽寺派の大本山向嶽寺の大庫裡修復工事が完了しました。新しく葺き替えられた銅板屋根は光に満ち溢れ、堂々たる銅板製の鬼瓦が存在感を放ち、塩ノ山を背景に美しく輝いています。

仏殿と方丈の東側に配置された大庫裡

竣工正面外観
山梨県甲州市塩山にある向嶽寺は、抜隊得勝禅師(恵光大圓禅師)により開山された創建600年を超える大寺院です。塩山の地名の由来である独立峰・塩ノ山を背景にして、その南西麓に壮麗にたたずんでいます。
1964年(昭和39年)に新築落慶した庫裡ですが、完成から50数年が経過。屋根葺き材の銅板が劣化、各所で雨漏りが発生し、早急な対応が待たれていました。

竣工、美しく仕上がった屋根妻の箕甲(みのこう)

着工前の姿

工事中、屋根の妻の丸みを帯びた箕甲(みのこう)を形作る櫛形(くしがた)の下地
この50年で銅板葺きの技術や意匠は進化しました。今回の修復工事では屋根妻の駒額(こまびたい)や箕甲の形状が改良されました。

芯の木型に銅板をたたいて作った鬼瓦

完成した美しい一文字葺きの銅板屋根

木工事中…ほぼ同じ場所から([左]棟梁の望月[右]現場監督の塩野)