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2022年5月1日

永昌院 本堂へ上がるスロープ

永昌院本堂(正面)

山梨市の矢坪(やつぼ)にある曹洞宗の名刹永昌院では、檀家様の中に車いすを使用されている方がおり、檀信徒が無理なく車いすで本堂に上がれるスロープの必要に迫られておりました。

しかし、格式のある本堂の床は地面よりはるか高く、本堂前にスロープを作ろうとすれば予想以上に長大な斜路を作らなくてはならず納まりが悪くなってしまいます。かといって昇降用のエレベーターを設置することは費用面や、設置後の安全のための点検・維持管理の問題も発生することに。

本堂と書院の間に斜路を設置

そこで、総代役員の方々がご住職と思案を巡らした結果得た結論は、庫裏→書院→本堂と順番にスロープを作り登っていく方法でした。まず、庫裏玄関では市販の据え置き型のスロープを設置、庫裏から書院へは写真のような斜路を作りつけて設置します。

庫裏から書院に上がるスロープ

そして書院から本堂へは書院の内縁から本堂前の軒下へ、車いすに乗る方が自力で上がれる1/12の勾配のスロープを木造で新設しました。色合わせを行い手すりを回し、安全を図ったスロープは重厚な本堂とも良くなじみ、違和感がありません。

書院から本堂へ上がるスロープ(側面)


書院から本堂へ上がるスロープ(正面)

今回の取り組みは、本堂へ上がるスロープの一つの良き参考例となるのではないでしょうか。工事の開始は令和3年の10月、完成は令和4年4月。約半年の工程でした。