2022年7月25日
重文平田家住宅 完成記念お披露目会
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竣工外観 西面
国指定重要文化財 旧平田家住宅は、移築から30年以上が経過し屋根や棟などの劣化が著しかったため、この度改修することに。改修工事の完成を記念して、令和4年7月23日(土)お披露目会&講演会が催されました。
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大土間で完成記念の式典が行われた
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県立博物館 学芸員の中野健司先生による記念講演が行われた
旧平田家住宅は、元々は山梨県北杜市小淵沢町松向字杉の木平にあった古民家です。平田家は、武田信玄公の家臣、山田但馬守の末裔と伝わる旧家で、江戸時代には大名主を務めました。
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竣工外観 南東面
茅葺屋根は基本的に寄棟づくり。下屋には葺きおろしが見られ、棟妻には換気窓がある
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竣工外観 西面(本来の平田家住宅の正面)
建物はその建築様式から、17世紀後半に建てられたと考えられています。江戸時代中期の農家建築としては規模が大きく、また建築当初の柱や梁などの主要部材がよく残っている資料的価値の高い建物です。平成元(1989)年には国指定重要文化財に指定され、それを機に旧小淵沢町に寄贈されました。
その際、倒壊のおそれがあったため、平成3(1991)年10月から平成5(1993)年3月にかけて解体・移築・修理をされ、現在はふるさと歴史公園内に移築保存「いろりの家」として一般公開されています。また、移築する際に建築当初(17世紀後半頃)の間取りに復元されました。
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茅葺屋根 棟と妻の納まり詳細
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茅葺屋根 軒の納まり詳細
今回の屋根や棟の改修工事、着工は令和3年10月、完成は令和4年5月。約7カ月の工期でした。