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2022年9月13日

甲府に存する文化遺産の保存と活用

講演会の様子1

甲府市総合市民会館で開催された、甲府歴史講座~甲府を学ぶ~(主催:甲府市教育委員会 歴史文化財課)に、社長の石川が講師として招かれました。

この甲府市歴史講座は、甲府の歴史や民俗、人物について、史料・写真とともに学ぶというもの。
今回は「甲府に存する文化遺産の保存と活用」というテーマでお話しさせていただきました。以下に内容を簡単にまとめます。
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①甲府空襲の前と後の話
空襲前は美しい城下町で、小江戸もしくは小京都の趣のある街並みだった。空襲で灰塵に帰したことが残念。焼け残った数少ない時代の証は貴重。

焼失前の甲府市街

昭和20年7月焼失 焼け野原となった甲府市街

②文化財建造物について
甲府市にある、国の重要文化財建造物、県の指定文化財、市の指定文化財、国の登録有形文化財、国の指定史跡の中で、弊社が携わったことのある建物を中心とした話。

甲府の善光寺本堂 国の重要文化財

旧睦沢学校校舎 国の重要文化財

また、登録文化財指定に向けて甲府市が調査を進めている「松亭」についても写真を見ながら説明。

松亭二階建蔵 着工前

松亭二階建蔵 竣工後

③文化遺産としての古建築の存在意義について
『景観』とは、視覚で捉えられる街並みや都市の風景のこと。例えば、甲府駅前の景観は、『旧睦沢学校校舎(藤村記念館)』や『山梨文化会館』など、甲府を象徴する個性のある建物(古建築)が存在感を放っている。しかし、100年近く前に誕生したインターナショナルな建築が、もてはやされ造られ続けてきた結果、美しい日本の風土が育んだ麗しい家並みの多くは失われ、国籍のない短命で個性のない使い捨ての建築群が、地上を埋め尽くしてしまったことも現実。

車窓から旧睦沢学校校舎と山梨文化会館が見える

④まとめ
山梨文化会館を設計した丹下健三氏は、日本人の建築家として建物の中に日本を表現した世界の巨匠。彼が設計した近現代の建築も国の重要文化財に指定されるようになった。このような動きも国内建築の保存における指標となるだろう。

国立代々木競技場 国の重要文化財

甲府に生きた多くの先達の上に私たちは今を生きている。苦心して残してくれた時代の証を大切に次代に伝えていくことは、私たちの使命である。
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講演会の様子2

甲府歴史講座・全5回の中の第4回目ということでしたが、皆さん興味深い様子で耳を傾けて下さいました。休憩時間に質問に来られた方、質疑応答の際にご意見を下さった方もいて、熱心に受講される様子に感服しきり。準備不足な点もあったかもしれませんが、お話しする中で新たな気づきもあったりで大変有意義な時間となりました。ありがとうございました。