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2022年10月5日

円融寺の奥の院「岩井堂」

懸造り(かけづくり、舞台造りとも言う)の岩井堂の雄姿

臨済宗建長寺派の円融寺は秩父観音霊場二十六番の札所として有名ですが、円融寺の奥の院には岩井堂と呼ばれる大変珍しい懸造り(かけづくり)のお堂があります。

京都の清水寺や鳥取の三仏寺投入堂が有名ですが、それでも全国各地にあって、例えば山梨県韮崎市にある雲岸寺の穴観音堂なども大きな岩塊に身を寄せるように建てられたた独特な建築であり、その匠の技には見るたびに驚かされます。

荷を運ぶ車道は無い、まず仮設の足場材を運ぶところから始まった


仮設の足場を組んで作業開始


ジャッキで建物を支え、傷んだ柱脚を2本外す


取り換えた柱脚の一つ、以前にも根継ぎによって柱脚の補強がされていた

新たに加工され荷揚げを待つ根継ぎ材2本


荷を背負って運ぶ近山棟梁


300段の石段はきつい!


岩井堂を詠んだ御詠歌に「尋ね入り、むすぶ清水の岩井堂、心の垢を、すすがぬはなし」があります。ぜひ一度秩父のパワースポットをお尋ねください。

腐りやすい柱脚を地面の湿気から守るため、コンクリート基礎を2か所打設


工事の着工は令和4年7月、完成は同年9月、約3か月の工程でした。現場監督は石原千幹、大工棟梁は近山哲也でした。