2023年4月1日
下山大工棟梁の家を「共栄」の場に
身延山久遠寺のお膝元にあり、富士川が南北を流れる山梨県身延町下山。ここには伝匠舎の身延支所である古民家があります。下山には、800年以上昔から活躍してきた屈指の宮大工集団・下山大工がいました。伝匠舎の始祖は下山大工の棟梁家の一つで、この下山古民家はその生家なのです。
建物自体は100年前後のものと考えられていますが、背負っている歴史はもっと深いものといえます。
下山という地域は、武田氏の一族である穴山氏が時の領主となり城下町として大変栄えました。さらに江戸時代には富士川舟運が始まり、身延山参詣客が増え、宿場町としても発展。今ではもう、当時のにぎわいは影をひそめ下山城も残っていませんが、実は城はこの古民家のすぐ後ろにあったことがわかっています。下山歴史愛好会の方たちが裏庭の竹林を切り開き、下山城の痕跡である土塁を発掘しました。
現在、私クシダユリはご縁あって下山大工棟梁の家をお預かりしながら、地域内外の人が集いつながれるようなコワーキングスペースとして、活用させていただこうと計画中です。私はフリー編集者で、この地域の魅力を掘り出し紹介するフリーペーパーを制作していたこともあるほど、独自の伝統や文化、豊かな自然やここでの暮らしを愛しています。
地域内外の人が集い交流の生まれる場所にし、ワーケーションも誘致しながら伝匠舎のルーツである下山大工のことや地域の魅力も伝えられる場所にできたらと思っています。ぜひ温かく見守っていただけるとうれしいです。(寄稿:クシダユリさん)