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2023年3月28日

宝珠院観音堂「光堂」保存修理工事完了

桁行三間、梁間三間の光堂。寄棟の茅葺屋根が美しく蘇った

宝珠院(ほうじゅいん)は千葉県印西市小倉にある天台宗の寺院です。平安時代前期の9世紀後半に開かれた古いお寺ですが、現在はこの観音堂のみが残っています。

観音堂は室町時代後期(1563年)頃の建立。桁行三間、梁間三間、一重、寄棟造、茅葺で1934年(昭和9年)に国の重要文化財(旧国宝)に指定を受けました。堂内の須弥壇の背面にある壁や天井を支える柱や組物に、美しい彩色が施されていることから、別名「光堂」と呼ばれています。

工事は屋根の腐朽が進んだため、茅葺屋根の葺き替えが行われました。また光堂の名前の由来となった堂内の美しい色彩に対して、剥離防止の処置が行われました。

着工前。傷んだ屋根の一部はシート養生されていた

杉皮が敷かれた軒先を残して茅の解体が完了。軒先の修理を行った後、再び元の形に復して茅葺工事が行われた

茅を葺いた3人の職人。右が伝匠舎の新津棟梁

杉皮にひしぎ竹を巻いて竹で押さえ、棟木をのせる形を忠実に復元

光堂の名前の由来となった堂内の美しい彩色

劣化が進む彩色の剥落を抑える工事が行われた

設計管理は文化財建造物保存技術協会、工事の着工は令和4年11月、完成は令和5年3月、約5か月の工程でした。