2023年12月3日
山廬の竹林整備
この時期の恒例行事、飯田蛇笏翁(だこつおう)、飯田龍太翁(りゅうたおう)が暮らした山梨の俳句の聖地「山盧(さんろ)」で12月2日(土)と9日(土)の両日、竹林の整備が行われました。
山盧で採取した良質の真竹(まだけ)は文化財建造物などの茅葺屋根の下地材料に使用され、孟宗竹(もうそうだけ)は竹炭などの材料になります。また、チッパーで細かく粉砕されたチップは発酵させて肥料となります。
山盧の竹材は山盧文化振興会の飯田秀実理事長の管理下で、生育が5年目に達した竹を、竹が水を吸い上げなくなる11月から12月に伐採します。長さ6mの真っすぐな竹を集積、弊社のトラックで運搬、屋根の下に格納、竹が黄色くなって強度を増す頃合いを見て、茅葺屋根のヤナカ竹やタルキ竹として使用されます。曲がりが強い使用不能な竹材はチップとなります。
放置竹林が今問題となっています。日本の森林面積は2505万haで国土の約2/3にあたります。そのうち竹林は16万7千ha、森林のわずか0.6%でありますが、これが放置され年々広がって空き家となった屋敷を飲み込み、山林にも入り込み大きな社会問題に。
以前の日本人と竹の関係は、身近な里山に竹があって、日常的に利用され重宝されてきました。それが経済的に安価なプラスチックなどの製品にとって代わり、今や竹林の役目は終わったかに見えますが、林野庁によりますと、それでも現在の日本で使われている竹の消費量の95%は輸入品で、建築に使われる竹のほとんどが中国産ということですから驚きです。
竹も木材と同様に日本に豊富にあるのに、安価という理由で外国から輸入し、かつて美しかった日本の山河が荒廃していく、そんな現状を見て心を痛めている日本人は少なくないと思われますがいかがでしょうか。