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2024年3月26日

出雲文化伝承館『独楽庵』茅葺替え

竣工 中潜りを潜って見える独楽庵外観

独楽庵(どくらくあん)は千利休が京都・宇治田原に建てた茶室です。江戸時代後期に、大名茶人・松平不眛(ふまい)公こと七代目松江藩主・松平治郷が入手、自らの屋敷に移築しておりましたが、幕末の動乱で消失。

現在の独楽庵は、古絵図など詳細な資料を元に茶室研究家・中村昌生先生の監修によって「出雲文化伝承館」内に復元されたものです。

竣工 内路地から見る独楽庵外観

工事に際しては、茶室の小屋裏に潜れず針返しができないために特殊な方法で押しほこ竹を押さえたり、雨仕舞で杮葺(こけらぶき)屋根と茅葺屋根の取り合いが難しい箇所があったり、化粧軒の竹や葦(よし)を藤蔓(ふじつる)で編んで巻いたりと、小さいながら複雑な形状をした屋根を納めるのに、たいへん手間はかかりましたが、また勉強にもなりました。

伝匠舎の茅葺職人 新津侑樹

小さいながら複雑な形状をした屋根

工事着工は令和5年12月、完了は令和6年2月。約2か月の工程でした。

中路地の中潜りを潜って茶室へ向かう伝匠舎社長の石川