修理工事が完了したご本殿の雄姿
穂見諏訪十五所神社は山梨県北杜市長坂町宮久保にあります。神社の名の由来は、複数の神社や神様を合祀する際に、それぞれの名前をくっつけたために長くなったのだそう。
また、境内の御手洗池の畔には樹齢が700年を超える県の史跡名勝天然記念物の指定されたこともある欅(ケヤキ)の大木があり、縁結びのケヤキ・いぼ取りのケヤキとして崇敬されています。
北杜市の有形文化財に指定されている本殿は、建物の様式や手法、彫刻意匠の特徴などから、江戸中期に再建されたと推定され、長坂町では現存する最古の建造物として貴重なものとされています。
修理工事が完了(正面)
修理工事が完了(背面)
高欄から下の造作材を一時解体保存作業する、伝匠舎の望月棟梁
この度の修理は、高欄より下の随所にみられる腐朽箇所の修理を行いましたが、建物が傾く事態の対応としては曳揚げ屋工事によって建物と柱石とを切り離し、土台の取り換えや柱脚の根継ぎなどを徹底して行うことによって、建物を平らに真っすぐ建てることができました。
柱脚の腐朽の様子
引揚げ屋工事の様子、鉄骨を組んでご本殿を揚げる
木材の防蟻防腐塗料を施工
山よりの湿気が多いため土壌の消毒を実施
心材には修理年度の焼き印を施工
工事の着工は令和6年2月、完了は5月、実質約3か月の工程でした。市からの補助金などの関係で、工事は令和5年度分の一期工事と、令和6年度分の二期工事に分けられて契約されました。