2017年8月5日
H29伝建協 基調講演「上条の取り組みと今後」
平成29年8月3日~4日、全国伝統的建造物郡保存地区協議会関東・甲信越静のブロック会議及び研修会が甲州市で開催されました。その中の基調講演で、「上条でのこれまでの取り組みと今後」という題目で社長の石川がNPO山梨家並保存会の代表としてお話させていただきました。
山梨家並保存会は、平成18年6月に結成しました。目的は、山梨の歴史的な景観を形成する重要な建築物を守ることです。代表は石川が務めておりますが、副代表理事には山梨県の文化財審議委員会の会長、あるいは富士山世界遺産の学術委員会の会長を務められた清雲俊元様に就任いただいております。また、会の顧問には、工学院大学の理事長、後藤治先生に就任いただいております。
本題である上条の話ですが、最初の写真(上条集落全景)は今より17年前の平成12年2月28日(2000年)に撮影したものです。この上条集落は、農水省外郭団体まちむら機構の茅葺民家調査で発見されました。(芦川集落も同様です。)
私どもが最初に関わったのは、上条集落の扇の要にある観音堂の保存修理工事からでした。
看板に見られるように、工事の実施団体は「元気な上条をつくる会」、国交省から「地域木造住宅市場活性化推進事業」という補助金をいただきました。
参加者は13名。いやしの里の蕎麦屋2階で茅葺きの勉強会も開催しました。
県内外より23名が参加。茅葺職人の指導のもと、茅の運搬だけでなく実際の茅葺体験も行いました。
県内外より31名が参加。4班に分けて作業をローテーションで体験しました。(昼食後の勉強会も開催。)
全ての参加者が全員笑顔のとても素晴らしい写真です。
木食白道作
この建築の形は、全国にこの地域だけのオンリーワン民家です。
数多くのワークショップと勉強会を開催しました。補助金をいただいたとは言え、NPOの負担も大きいものがあり、情報館のワークショップはボランティアが常態化しました。皆さんのご協力に感謝いたします。
土壁下地の小舞の竹も作ってしまいました・・・写真は、上条組のみなさん、日本民家再生協会 民家の学校 大沢校長、工学院大学の学生さんたち、現在は甲州市文化財課の柳通さんです。
床・壁などの板材の古色塗りの様子。柿渋に硝煙を混ぜます。
後藤先生、清雲先生、助役、上条組の皆様、教育長、市会議員の皆様、日本民家再生協会事務局長、他関係各位、NPO会員など多数ご出席いただきました。
施設の利用内容としましては、イベント会場・ギャラリー発表会場・各種会合場所・田舎暮らし体験場所などです。これまで多くの皆様にご利用いただきましたが、その一例としていくつかご報告します。
若林氏は山梨親善大使でもあります。
「昔ながらで良い。二階が面白い。景色が最高。また来ます。」との感想をいただきました。
甲州市内在住の二人。玉宮の玉諸神社で挙式の後、40名ほどが出席しての披露宴。地元の食材での手作り料理、甲州ワインで乾杯しました。
中村一仁さん宅を訪問しました。写真は田辺市長、清雲先生、横内知事、文化財課の飯島課長です。
願わくば、昔のような茅葺屋根の景観がよみがると良いのですが。