2017年11月26日
甲州民家移築再生[12] 上棟式
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棟納め槌打ちの儀。棟梁の「千歳棟、万才棟、永々棟」の掛け声にあわせ、棟に上った二人の大工職人が棟木に槌を振り下ろし、大音響が周辺に轟く
2017年11月25日(土)日本晴れのもと、川崎市にある柴原家住宅で、今では珍しくなった『昔ながらの上棟式』が盛大に行われました。
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上棟式の棟飾りを装った柴原家住宅の棟には五色の旗がひらめき、鶴と亀の鏑矢(かぶらや)が天地を射る
柴原ご夫妻が山梨を訪れ、御坂町にあった古民家を弊社がご案内したのは、今から二年半前の平成27年。運命的な出会いをしたと語られるその建物は、明治12年建立で築140年にも及ぶ古民家でした。
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施主様、工事関係者各位が屋根に上って餅投げが始まった
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大勢のご近所の方々に参加していただいた
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餅投げの様子
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餅投げの様子
山梨と神奈川は養蚕シルクの道で繋がっているのでしょうか?山梨の絹が神奈川の港から世界へと出荷、多くの山梨県人は神奈川へ移住したといいます。
川崎在住の柴原様の目に留まった山梨の養蚕型民家は、実に運のいい建物です。都市化し高層化しつつある町の高台に残っていた古民家を置くのにふさわしい敷地、また古民家に精通したO設計の大沢先生の設計管理もいただいて…まさに願ってもない理想的なお施主様と移築環境に恵まれたのです。
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鏡開きを待つ酒樽を前に記念撮影
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祝宴を前に清水棟梁から御礼の挨拶
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酒宴に盛り上がる黒沢明監督並びに工事スタッフ
感慨深い上棟の日を迎えてもまだ道半ば…いくら施主様が素晴らしくても、設計士の腕が良くても…施工者がダメなら良い建築は生まれない!という例をいくつも見てきています。立派な作品を目指して清水棟梁、黒沢監督以下工事スタッフは、柴原邸が伝匠舎の歴史を飾る代表作となるべく日々努力しています。